厳選の体験 · 京都
京都, 日本
百三十一メートルの塔が高さ制限の街で認められたのは、屋上の工作物として分類されたからです。しかも内部に骨組みはなく、鋼の外皮そのもので荷重を支えています。
Get panoramic views across Kyoto atop the lighthouse shaped Kyoto Tower.
Make use of the free telescopes on the 5th floor of the observation deck even at night!
Visit at sunset for the best changes to see a spectacular view.
意図して低く保たれた街で、唯一の高い視点
例外の適用ではなく、定義の読み替えによって存在する建物
骨組みではなく表面で重さを支える構造
ひと回りするだけで見渡せる盆地と、それを囲む山並み
展望室に備えつけの望遠鏡、余分な手続きはなし
夜間の開館。市内の展望施設ではほとんど例がありません
京都駅の真向かいに立つ京都タワー、その展望室への入場です。展望室は地上百メートル、塔の先端は百三十一メートル。エレベーター待ちを含めて所要はおよそ一時間。京都に着いて最初に上がる場所としていちばん役に立ち、そして市内でおそらく最も議論されてきた建物でもあります。
設計者が掲げた趣旨がこれです。白い塔身に赤い帯という姿は、海の代わりに京都を見守る灯台として構想されました。設計陣は同時に、その輪郭を和ろうそくにも喩えており、どちらの見方も今なお語り継がれています。議論の余地がないのは、この街のほかの何にも似ていないという一点で、一九六四年当時、それこそが狙いでした。
京都は町並みを守るために建物の高さを厳しく制限しており、百三十メートルの塔がそのまま通るはずがありません。設計した山田守は、そもそも建築物として設計しないという方法で切り抜けました。塔は下層のビルの屋上に載る工作物、つまり高架水槽やアンテナと同じ扱いに分類されたのです。その筋立てで許可が下り、建ちました。
京都の側は黙って受け入れたわけではありません。塔は旧京都中央郵便局の敷地に一九六三年から一九六四年にかけて建てられ、東京オリンピックの年に間に合うよう工期が組まれました。古都に近代的な尖塔など無用だという当時の反発は、今も完全には消えていません。六十年を経ても、住民が文句を言う対象であり、同時に道を教えるときに使う目印でもあります。
ほとんど語られないのが構造です。白い塔身の内側に鉄骨のトラスは入っていません。薄い鋼板で覆われた鉄のリングを積み上げ、内部の骨組みではなく外皮そのもので荷重を受けています。原理としては通常の塔よりも船の外殻に近い。なめらかな外面は構造を隠す覆いではなく、外面が構造そのものなのです。
盆地がひと目に収まり、三方を山に囲まれ、寺社の一帯が碁盤の目のなかに緑のかたまりとして読み取れます。自由に使える望遠鏡があり、屋内をぐるりと一周でき、晴れた日には大阪まで見通せます。行けるなら夕暮れどきに。展望室は夜まで開いており、通りが光を失ったあとも、山はまだ光を抱えています。
開くと日付を選んで料金を確認できます。
料金に含まれるものと、別途ご用意いただくもの。
実用的な情報と、実際によく聞かれることへの答え。
地上百メートルです。塔の先端は百三十一メートルに達します。
エレベーターの待ち時間を含めて、到着から出るまでおよそ六十分です。
建築物ではなく、下層のビルの屋上に立つ工作物として分類されたためです。
建築家の山田守です。構造は構造技術者の棚橋諒が担当しました。
一九六三年から一九六四年にかけて、旧中央郵便局の跡地に建てられました。
海の代わりに街を見守る灯台です。ただし、その輪郭はろうそくにも喩えられます。
鋼板を巻いた鉄のリングを積み重ね、内部の骨組みではなく外皮が荷重を受けています。
夕暮れどきです。展望室はまだ開いていて、周囲の山がいちばん長く光を留めます。